[北京/シドニー 10日 ロイター] – 中国商務省は10日、豪州から輸入するワインに対する暫定的な補助金相殺措置を11日に発動すると発表した。
声明によると、調査対象となっているワインの輸入業者は、中国税関に保証金を納めることが義務付けられる。
オーストラリアのバーミンガム貿易相はABCラジオに対し、豪州産ワインが補助金を受けているとの主張を否定。「豪州産ワインは中国市場で2番目に高い水準だ。オーストラリアにとって基本的には最も価格の高い市場だ」と述べた。
中国は8月に国内業界団体の要請を受け、豪州からのワイン輸入に対する反ダンピング調査に着手。先月には暫定的な反ダンピング措置を発動すると発表し、反ダンピング調査対象となっているワインの輸入業者に対し、中国税関への保証金支払いを義務付けると明らかにしている。
オーストラリア政府はこうした中国の動きを、新型コロナウイルスの発生源を巡り中国に独立調査を求めたことに対する報復措置の一環と受け止めている。
中国は今年に入り、オーストラリアから輸入される大麦に対して反ダンピング関税を課したほか、オーストラリアの食肉加工会社からの牛肉輸入の停止も発表している。
バーミンガム氏はセブン・ネットワークに対し、中国側の主張は十分な証拠がなく、オーストラリアは引き続き正当性を訴え中国の措置を非難すると語った。
同氏は9日に議会で、中国は豪中自由貿易協定(FTA)や世界貿易機関(WTO)の義務を守らず豪州産の製品を標的にしているようだと批判した。
豪州産の大麦、ワイン、肉・乳製品、生鮮魚介類、丸太、木材、石炭、綿花に対する中国の措置について、WTOの会合で懸念を表明したと明らかにした。
中国大使館は、同国がFTAを順守していないとする発言は「全くの根拠がない」と一蹴した。