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アリババと中国移動、監視カメラ大手に出資検討 米禁輸対象=関係筋

上海で開かれた展示会に出展したダーファ
9月16日 複数の関係筋によると、中国のアリババ・グループ・ホールディングと中国移動通信集団、米政府の禁輸リストに掲載された監視カメラ設備大手、浙江大華技術(ダーファ)に30億元(4億4300万ドル)を出資することを検討している。写真は上海で開かれた展示会に出展したダーファ。2019年5月24日撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

[香港 16日 ロイター] – 複数の関係筋によると、中国のアリババ・グループ・ホールディングと中国移動通信集団は、米政府の禁輸リストに掲載された監視カメラ設備大手、浙江大華技術(ダーファ)に30億元(4億4300万ドル)を出資することを検討している。

ダーファは中国2位の監視機器メーカー。米政府は昨年、同社など複数の中国企業がウイグル族などイスラム少数民族の監視・拘束で中国政府を支援しているとして、事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」に掲載した。

同リストに掲載された企業は、米政府の承認なしに米企業から部品を調達することができなくなる。

関係筋によると、アリババと中国移動は数週間以内にダーファの第三者割当増資を引き受ける見通し。ダーファは深セン株式市場に上場しており、株式時価総額は103億ドル。

関係筋によると、中国移動はダーファと400億元規模の事業契約(期間3年)を締結する方向でも交渉を進めている。

この契約により、中国移動はダーファのビッグデータ、クラウド・コンピューティング・サービス、ビデオ監視設備、インターネット・オブ・シングス(IoT)技術を利用できるようになるという。

中国移動とアリババのコメントは取れていない。ダーファは情報を把握していないとコメントしている。

スマートシティー構想

中国政府は、世界最高水準の監視技術を導入した500都市以上のスマートシティーを建設する計画を進めている。交通や公衆衛生の問題に対応するため、公共の場に多数のカメラを設置し、顔認証技術などの活用を増やす方針だ。

こうした取り組みは、ダーファや監視カメラ大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)の業績にプラスになる可能性がある。

調査会社Qianzhanの7月のデータによると、中国のスマートシティーの市場規模は、2018年の7兆9000億元から2022年には25兆元に拡大するとみられている。

ロイターは4月、米アマゾン・ドット・コムが新型コロナウイルス対策のため、ダーファから体温測定カメラ1500台を購入したと報じた。購入代金は約1000万ドルだった。