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英テスコ、タイ・マレーシアの事業を売却で合意、タイのCPグループに

テスコの外観
タイとマレーシア事業の売却により、同社の事業展開エリアは本国である英国とアイルランド、中央ヨーロッパに絞られる。写真 gettyimages/SoopySue

 英小売業最大手のテスコは3月9日、タイとマレーシアの事業をタイのチャロン・ポカパン(CP)グループに10億6000万ドル(約1兆8000億円)で売却することで合意したと発表した。

 同社は2019年12月、タイとマレーシアの事業について売却を含めて戦略的な見直しを行っていることを明らかにしていた。テスコは1998年にタイに進出。スーパーマーケットの「テスコ・ロータス」などを展開しており、2019年2月期の売上高は41億ポンド(約5500億円)、店舗数は1967店舗だった。一方、マレーシアでは02年に合弁事業を開始。19年2月期の売上高は8億ポンド、店舗数は68店舗だった。タイとマレーシアを合わせたアジア事業で、同期に2億6500万ポンドの営業利益を上げた。

 テスコの株主総会での承認と、タイとマレーシアの独占禁止法当局の認可を経た上で、20年後半に売却手続きを完了する予定。CPグループのCPリテール・ディベロップメント、CPホールディングス、CPマーチャンダイズなど4社が共同で買収する。

 売却額にはアジア事業の負債も含まれており、売却によってテスコが得る現金は約80億ポンドとなる。このうち、50億ポンドは特別配当として株主に還元する。

 同社は20年2月、中国合弁会社ゲインランド(Gain Land)の保有株式20%を合弁相手である中国国有企業のチャイナ・リソーシズ・エンタープライズ(華潤創業)に売却し、中国市場から完全徹底することを明らかにしている。タイとマレーシア事業の売却により、同社の事業展開エリアは本国である英国とアイルランド、中央ヨーロッパに絞られる。