[16日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コム は、有料会員サービス「プライム」対象商品について、同社サイトに出品する外部事業者に米物流大手フェデックス の陸送サービス使用を一時的に禁止した。アマゾンは年末商戦で一段と短縮した配達時間の達成を目指している。
フェデックスの担当者は、影響を受ける出品事業者の数は限られているが「歴史的にみても、配送需要の大きい時期に小規模事業者の選択肢を狭めている」と批判した。
両社は、配送制限の影響を受ける商品の個数について明らかにしなかった。アマゾンは制限する期間についてコメントを控えた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先に、フェデックスによる日時指定配送の実績が原因だと報じた。
アマゾンによると、フェデックスの陸送サービスは制限の対象だが、より高い価格で航空貨物などを担うフェデックス・エクスプレスの利用は可能。また、無料配送のプライム商品以外ならば、フェデックスの陸送サービスが引き続き使える。
コンサルティング会社・シップマトリックスによると、ネット通販が大幅な値引きをする「サイバーマンデー」を含めた12月第1週で、商品を指定日時通りに配送できた割合がフェデックスは90.4%、米郵政公社(USPS)が92.3%、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) が92.7%だった。アマゾンの配送要員による米国内の達成率は93.7%に上った。[nL4N28L4KL]
フェデックスは、17日に四半期決算の発表が控えている。
シップマトリックスのプレジデント、サティシュ・ジンデル氏は配送制限について「サービスが理由ではなく、両社の関係について不快感があるからだろう」と分析した。
フェデックスは今夏、アマゾンとの米国内の輸送契約を打ち切っており、関係悪化が表面化していた。