[北京 17日 ロイター] – 中国国家統計局が17日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年比6.4%増加して第4・四半期と伸びが一致、市場予想を上回った。鉱工業生産の増加が寄与した。
ロイターがまとめたアナリストの予想は6.3%増だった。
世界経済を巡る懸念が高まる中、中国経済に改善の兆しがみられるかどうか注目されていた。
鉱工業生産だけでなく、小売売上高や投資も伸びが加速しており、一部の投資家の間では、中国経済が安定に向かっているとの期待が強まる可能性が高い。ただ、アナリストは、景気の拡大が持続可能と判断するのは時期尚早と指摘。政策による追加支援が必要になる可能性が高いとの見方を示している。
ナティクシス(香港)の大中華圏担当シニアエコノミスト、ジェンウェイ・シュー氏は「本格的な中国経済の回復と言うにはさらなる証拠が必要だと依然考えている。中国経済に対するわれわれの見方は依然慎重だ」と述べた。
国家統計局の報道官は、中国経済について、依然多くの外的不確実性に直面しているが、より前向きな要素がみられるとの声明を発表した。政策の効果が徐々に表れてきているという。
3月の鉱工業生産は前年同月比8.5%増加し、2014年7月以来の高い伸びとなった。政府の支援策を背景とした受注増への期待から生産が拡大した。
ロイターの調査でのアナリスト予想は5.9%増、1─2月は5.3%増だった。
鉄鋼やセメントなど建築資材が好調だった。
国家統計局の報道官は、鉱工業生産は今後も安定した伸びが続く公算が大きいと指摘。輸出の拡大も続くとの見通しを示した。
3月の小売売上高は前年比8.7%増加し、昨年9月以来の高い伸びとなった。伸び率はアナリスト予想の8.4%や1─2月の8.2%を上回った。
家電、家具、建築資材の販売が急増しており、住宅市場の力強さが見て取れる。
国家統計局の報道官は、自動車生産・販売の減少ペースも今後鈍化し、増加に転じるとの見通しを示した。
1─3月の固定資産投資は前年同期比6.3%増でアナリスト予想と一致。伸びは1─2月の6.1%から加速し、昨年1─4月以来の大きさとなった。政府が景気支援策として道路や鉄道、港湾などのプロジェクトを加速させたことが寄与した。
1─3月の不動産投資は、前年同期比11.8%増と、1─2月の11.6%増からやや加速した。
ロイターが12日公表した調査によると、中国の今年の経済成長率の予想中央値は、1月の前回調査時の6.3%から6.2%に切り下がった。政府が相次いで経済対策を打ち出しているものの、内外需とも低調なため、29年ぶりの低成長にとどまるとみられている。
国家統計局の報道官は、中国は多くの景気対策を打ち出しており、実行が鍵になるとの見方を示した。
第1・四半期のGDPは、前期比では1.4%増と、予想と一致した。昨年第4・四半期の1.5%増から伸びが鈍化した。