米クレジットカード大手マスターカードの消費者動向分析レポートによると、2021年11月1日から12月24日までの米小売売上高は前年同期から8.5%増加した。事前に示した予想伸び率の8.8%を若干下回ったものの、17年ぶりの高い伸びで推移した。
オミクロン株流行で引き続きEC好調
同レポートはマスターカードの利用・決済や、アンケートに基づく現金・小切手の支払状況を調べたもので、自動車購入金額は含まれない。これによると、21年の実店舗の小売売上高は20年比8.1%増、19年比で2.4%増だった。アパレルなど1年前に販売が落ち込んでいた分野で、消費者が実店舗に戻ってきた。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」の影響で、電子商取引(EC)も好調だった。マスターカードのシニアアドバイザー、スティーブン・サドーブ氏は「オミクロン株の感染が拡大した地域では、消費者が支出全般を控えるのではなくECに移行した様子がうかがえる」と指摘した。
21年11月1日~12月24日の米EC販売は20年比11%増加、19年比で61%増加した。一方で、21年11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.8%上昇、約40年ぶりの高水準だった。にもかかわらず「物価上昇で需要が影響を受けた様子はない」(サドーブ氏)という。
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