経済産業省によると、2023年度(23年4月~24年3月)の食品卸業界の市場規模は対前年度比8.0%増の105兆4480億円だった。食品メーカーによる値上げ効果も手伝って市場規模は3年連続で拡大し、100兆円を突破した。売上上位企業も23年度決算では軒並み増収を果たしており、過去最高業績を更新した企業もあった。市場が盛り上がりを見せる中、マーケットシェアはどう変化したのか。
日本アクセスが首位をキープ
食品卸の市場規模は、経済 産業省が公表している「商業動態統計」の「農畜産物・水産物卸売業」「食料・飲料卸売業」の販売額を合計して算出している。2023年度の「農畜産物・水産物卸売業」の年間販売額は、対前年度比5.9%増の41兆500億円、「食料・飲料卸売業」は同9.3%増の64兆3980億円だった。
23年度の食品卸は、経済が正常化に向かったことで外食産業が復調したことに加え、人流回復の恩恵を受けた小売業への取引も堅調に推移した。
食品卸上位10社のマーケットシェアは約10.8%で、21年からの2カ年で1.22ポイント減少した。23年度決算はおおむね好調だったものの、市場規模が各社の増収率を上回るペースで拡大したことにより、上位10社の占有率が低下したかたちだ。
上位企業の動向を見ていこう。食品卸の売上ランキングでは、三菱食品(東京都)が長年にわたり首位を堅持していたが、21年度に日本アクセス(東京都)がトップの座を奪っている。以来、22年度、23年度も日本アクセスが首位をキープしており、23年度決算の連結売上高は2兆3366億円と、2位三菱食品との売上高の差を2500億円以上に広げている。
三菱食品、国分Gが売上2兆円台に
2位後退となったものの、三菱食品の業績
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