経済産業省が公表する「農畜産物・水産物卸売業」「食料・飲料卸売業」の合計により算出した2021年度の食品卸業界の市場規模は、対前年度比1.0%増※の88兆9610億円だった。巣ごもり特需の反動減の影響を受けながらも、外出自粛のムードが薄まったことで外食産業が伸び、前年から2年連続で続いていた縮小傾向から脱出した。上位10社による占有率は同1.1ポイント(pt)減の11.9%と減少している。
※2020年度の市場規模は88兆150億円。前年の本誌同特集では2020年度の市場規模を89兆2598億円と記載しており乖離があるが、今号では経済産業省が公表する最新データ(2023年4月時点)を参照している。
農畜水産物と食料・飲料、ともに販売額は微増
経済産業省の「商業動態統計」によると、2021年度は「農畜産物・水産物卸売業」「食料・飲料卸売業」の両部門とも販売額は微増を記録。昨年まで2年連続で続いていた食品卸業界の市場規模減少に歯止めがかかった。
その一因には、国内の外食産業向け販売の復調がある。20年度は巣ごもり需要が高まり外食産業は伸び悩んだが、21年度は新型コロナ新規感染者の減少に伴い外出自粛ムードが薄まり外食需要が復活。同産業に向けた販売も回復に転じた。
上位10社による市場占有率は、市場規模が微増した一方で、上位企業の売上が下がったため前期比1.1pt減の11.9%だった。
三菱食品を抜いて日本アクセスが1位に
ランキングを見ると、これまで不動だった三菱食品(東京都)のトップの座を日本アクセス(東京都)が
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。