経済産業省の「商業動態統計」によると、2021年の家電量販店業界の市場規模は対前年比0.7%増の10兆350億円と10兆円の大台に乗せた。コロナ禍に伴うリモートワークの普及や巣ごもり需要などもあって、ここ数年は好調が続いていた家電量販店業界だが、中長期的なマーケット縮小は避けられない。そうした中、家電量販店各社は家電販売以外の事業に注力する「脱家電」の姿勢を強くしている。
一過性需要の反動減が直撃
堅調な買い替え需要に下支えされ、直近5年間は拡大基調が続いてきた家電量販店市場。直近では2020年に支給された特別定額給付金、巣ごもり商品のニーズ急増なども追い風となり、上位企業の業績は好調に推移していたが、21年度決算ではそうした一過性の需要が一巡、反動減による減収が相次いだ。上位7社による寡占化率も対前年度比2.9ポイント(pt)減の55.8%となっている。
生活家電の買い替え需要は今後も続くとされるものの、人口減少を背景に中長期的なマーケット縮小は避けられない。そうした中、大手各社は家電販売以外に活路を見出そうと、異業種との協業、提携、M&A(合併・買収)に注力している。
ヨドバシカメラがシェア3位に浮上
上位企業の動向を見ていこう。家電量販店市場で長年トップシェアを握っているのが、ヤマダホールディングス(群馬県:以下、ヤマダHD)だ。2022年3月期決算が減収だった影響で、シェアは16.1%と前年から1.5pt落としたものの、2位のビックカメラ(東京都)
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