小売業の店舗運営において不可欠なPOSシステム。矢野経済研究所の推計によると、2019年度(19年4月~20年3月)の国内における「POSターミナル」の市場規模は対前年度比8.4%減の約609億円だった(図表❶)。本稿ではPOSシステムのマーケット動向を見ていく。
POSシステムは、POSターミナル(端末)やサーバー、POSソフトウェアのほか、バーコードスキャナやレシートプリンターなどの周辺機器から構成される。
ただ、一口に「POSシステム」といっても、一般的な食品スーパーの店頭で主に導入されている専用機の「ターミナルPOS」、WindowsなどのPCにPOSシステムをインストールしてPOS端末とする「PC POS」、た主にタブレットなどにPOSシステムのアプリケーションをインストールした「タブレットPOS」といった具合にさまざまな種類が存在する。
近年のPOSシステムの動向を整理すると、2017年頃からコンビニエンスストア大手3社がPOSシステム機器のリプレースを実施、これに伴い17~18年は出荷台数、金額ともに大きく伸長した。さらに19年は、消費増税に加え、改正割賦販売法に伴うEMV(ICチップ搭載クレジットカードの統一規格)への対応などもあって、17年、18年度比では減少となったものの、POSシステムの販売は堅調に推移した(図表❶参照)。
インフォメーションシステム研究会(DSS研究所)が20年8月に公表した「POSシステム販売状況調査結果」によると、18年度(18年4月~19年3月)のベンダー別のPOSシステム販売実績シェア(図表❷)では
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