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中国鉱工業生産と小売売上高、1─2月は急増 景気回復が加速

浙江省杭州市の二輪車工場
3月15日 中国国家統計局が発表した1─2月の鉱工業生産と小売売上高は大幅に増え、市場予想を上回った。2020年序盤の新型コロナウイルスショックからの景気回復が一段と鮮明になった。写真は浙江省杭州市の二輪車工場。2020年2月撮影(2021年 人民日報)

[北京 15日 ロイター] – 中国国家統計局が発表した1─2月の鉱工業生産と小売売上高は大幅に増え、市場予想を上回った。2020年序盤の新型コロナウイルスショックからの景気回復が一段と鮮明になった。

鉱工業生産は前年同期比35.1%増加し、昨年12月の7.3%増から伸びが加速した。ロイターがまとめた市場予想の30.0%増も上回った。

伸びが大幅だったのは主に昨年の生産が非常に大きく落ち込んだためとみられるが、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年1─2月と比較しても、生産は16.9%増加した。

国家統計局は、前向きな要因が増えているものの、中国経済回復の基礎はまだ盤石なものではないとの認識を示した。

1─2月の中国の経済活動は旧正月(春節)の影響で大きく振れることが多い。

1─2月の小売売上高は前年比33.8%増加。市場予想は32.0%増だった。昨年12月は4.6%増、2020年1─2月は20.5%減だった。

2019年1─2月との比較では6.4%増となった。

オックスフォード・エコノミクスのルイス・クイジス氏は「今年は輸出と製造業関連投資の見通しが明るい」と指摘。「信頼感が改善し、政府の旅行自粛の呼び掛けもトーンダウンすることで第2・四半期以降は家計支出が成長の主要なけん引役になるだろう」と予想した。

1─2月の固定資産投資は前年比35.0%増加。市場予想は40.0%増だった。2020年1─2月は24.5%減だった。

2019年1─2月との比較では3.5%増となった。

全体の6割を占める民間固定資産投資は、1─2月は前年比36.4%増。2020年通年では1.0%増だった。

国家統計局の劉愛華報道官は統計発表後のブリーフィングで、中国経済は依然、回復過程にあると述べた。

同報道官は、第1・四半期の経済は前年同期と比較して急回復を見せる可能性があるとしながらも、景気回復に不均衡がみられるため、消費への支援を強化する必要があるとした。

「新型コロナウイルス感染症は引き続き世界で拡大しており、国際的な経済情勢は複雑かつ厳しい。国内については、回復がなお不均一なのが明白だ」と強調した。

都市部失業率はこれまでの安定した低下傾向から上昇に転じ、2月は5.5%と、12月の5.2%を上回り、国内労働市場への圧力の高まりを示唆した。

旧正月の大型連休は通常、帰省する人が多いが、今年はコロナ懸念で自粛する動きが広がった。この結果、工場の稼働時間は増えたが、消費支出に多少の影響が出た。

キャピタル・エコノミクスのアナリストはリポートで、1─2月の小売売上高は季節調整済み前月比では鈍化したとし、旅行制限と失業率の高止まりが響いた可能性が高いと分析した。