日本百貨店協会が発表した全国百貨店の11月の売上高は、既存店ベースで前年同月比14.3%減となった。前年割れは14カ月連続。月前半は回復基調にあったが、中旬から新型コロナウイルスの感染が再び拡大したため、高齢者を中心に外出自粛気運が高まったことが響いた。消費増税の反動要因があった前月(1.7%減)から大幅に水準を下げる結果となった。
国内顧客は10.0%減で2カ月ぶりのマイナス。訪日外国人客は89.3%減で10カ月連続のマイナスだった。地区別では10大都市が15.9%減、10大都市を除く地方が10.2%減といずれも不調だった。
商品別では、美術・宝飾・貴金属が12.0%増と2ケタの伸びだった。前年は消費増税の影響で12.3%減となっていたことから、その反動が出た。食料品は10.1%減だったが、クリスマスケーキやおせち、お歳暮などは好調に推移している。
主力の衣料品は21.4%減だった。冬物需要が減退していることに加えて、国内アパレル大手のブランド改廃や販路集約の影響もあって苦戦が続いている。