新型コロナウイルス(コロナ)の感染状況は、第1波に続いて7月以降の第2波の到来、そして直近も第3波への警戒感が強まるなか、巣ごもり需要は依然として高い。そうした消費環境を反映し、3月期決算のSMの2020年度上期(20年4~9月)決算は、売上・利益ともに大きく伸びた。主要4社の上期業績と、今後の経営戦略についてレポートする。
ヤオコーは2ケタ増収・増益を達成
ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)の21年3月期上期の業績(連結)は、営業収益が対前年同期比14.7%増の2584億円、営業利益が同45.6%増の158億円、経常利益は同46.0%増の157億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同49.2%増の106億円と大幅な増収増益となった。
同社ではコロナの全国的な感染拡大が続く状況下で、「地域のライフラインとして可能な限り通常どおりに営業を続ける」ことを基本方針として店舗運営を継続。その結果、巣ごもり需要を大きく取り込み、客数こそ減少したものの、客単価は同23.5%増と大きく伸長し、収益向上につながった。
まず商品政策(MD)では、独自化・差別化につながる品揃えの実現をめざし、ミールソリューションの充実を図った。とくに力を注いだのは「Yes!YAOKO」などプライベートブランド(PB)商品の拡充で、上期も新商品を積極的に投入。PBの合計アイテム数は1197となり、売上高構成比は10.2%に上っている。また、生鮮とデリカの両部門による「チームMD」にも取り組み、生鮮素材を使った総菜商品の開発などを進めた。
このほか、上期は「ヤオコーデリカ・生鮮センター」(埼玉県東松山市)の活用にも注力。同センターの出荷高は上期累計で60億円に近づき営業総利益も20億円を突破した。この結果、店舗の生産性向上はもちろん、「製造小売」としての利益創出にもつなげている。
販売面では
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