[東京 20日 ロイター] – 総務省が20日公表した10月の全国消費者物価指数は、指標とされるコアCPI(除く生鮮)は前年比0.7%低下し、9月の同0.3%からマイナス幅が拡大した。2011年3月(0.7%低下)以来、9年7カ月ぶりのマイナス幅となった。エネルギー価格の下落、観光促進策GoToトラベル事業の影響、昨年10月の消費増税による値上げ効果一巡により大幅な低下となった。
ロイターが集計した民間予測(中央値)は同0.7%低下だった。
エネルギー・GoTo・増税反動響く
前年比でのマイナスは3カ月連続。総務省では、デフレ傾向に突入しているかどうかについては「判断できない」(幹部)としている。
最大の下落要因はエネルギーで、原油市況の下落を反映し前年比5.7%下落、9月と比べ0.17ポイント指数の押し下げ効果があった。ガソリンが前年比9.2%、電気代が同4.7%下落した。
GoToトラベル事業の対象に10月から東京が加わった影響で、宿泊料が前年比37.1%と大幅に下落し、9月の同30.0%からマイナス幅が拡大した。
昨年の消費増税時に握りずしなど外食での値上げの効果が剥落し、生鮮食品を除いた食料は前年比0.2%上昇となり、9月の同0.8%からプラス幅が縮小した。ビールの酒税引き下げも響いた。
生鮮食品を加えた総合指数も前年比0.4%下落した。キャベツや白菜など夏場に高値だった野菜の価格下落が影響した。
物価のより基調的な動きを示すとされる、コアコアCPI(除く生産、エネルギー)も同0.2%下落した。