[ニューデリー/ベンガルール/東京 11日 ロイター] – インドの人気クラフトビール「Bira」のメーカー、B9ビバレッジズのアンクール・ジャイン最高経営責任者(CEO)は11日、ロイターとの電話インタビューに応じ、自社株最大20%の売却に向け国際的なビール醸造会社や投資家と交渉を進めていると明らかにした。
ジャインCEOは「われわれはインドで競合していなかったり、インドでの事業が最小限であったりするビール会社と協議を進めている」と述べた。
交渉相手は明らかにしなかったものの、業界の関係筋4人によると、キリンホールディングスと協議を進めている。
キリンの広報担当者はBira株取得について、現時点で協議は全くないと述べた。
一方、キリンの関係筋によると、同社はインドを成長市場とみており、Biraを調べているものの、グローバル市場に対する幅広い研究の一環だという。
インド業界筋の1人によると、Biraとキリンはこれまで、自社ブランドをインドのビール市場(推定70億ドル)で直接売り出すこともキリンに認めるディール(取引)を協議した。
データプロバイダーのPitchBookの推計によると、2018年時点におけるBiraの企業価値は2億1000万ドル。米セコイア・キャピタルが約45%の株式を保有し、ジャインCEOと同CEOの家族が約30%株式を保有している。
2015年に立ち上げられたBiraはインドで最も小さなプレーヤーの1つだが、同社のクラフトビールの人気は高まっている。ジャインCEOによると、Biraのシェアはニューデリー、ムンバイ、ベンガルールのビール市場で5─10%となっている。