[東京 18日 ロイター] – パナソニックは18日、新型コロナウイルスの影響の不確実性が高いとして、2021年3月期(IFRS、国際会計基準)の予想開示を見送った。需要面の影響は中国以外にも拡大しているほか、ロックダウンによる工場停止の影響などが出ている。同社では、固定費の削減や構造的赤字事業への対応を進めるとしている。
リフィニティブがまとめたアナリスト17人の営業利益予想の平均は2254億円となっている。
前期30円だった年間配当も今期は未定としている。
梅田博和常務・最高財務責任者(CFO)は会見で、4月の販売高は「前年比8割を少し切る程度」となったことを明らかにした。インドはゼロ、ボリュームの大きな日本は9割、中国は100%近くに戻っているという。そのうえで「4月がボトム、7―9月期に回復基調、下期は昨年並みという想定」と述べた。
米ネバダ州にあるテスラ向け電池工場では「従業員の安全対策を取りながら、稼働を上げていく」とした。生産能力は、3月末で32ギガワット時に到達。「来年度に向けて35ギガワット時を目指した形で、材料のレシピの改善や技術の改善に取り組んでいく」とし、それ以降についても「テスラから強いデマンドもらっており、協議しながら、コロナの影響を見極めながら検討している」と述べた。
低収益事業として改革を進めているテレビ事業については、19年度は100億円を超える赤字となったが、20年度は、固定費削減や協業などにより2ケタ億円の赤字に抑え込む計画。そのうえで「21年度で赤字を解消する目標に変わりはない」とした。
20年3月期は、連結売上高が7兆4906億円(前年比6.4%減)、営業利益が2937億円(同28.6%減)となった。同社は、4月27日に業績修正を発表している。
事業ポートフォリオ改革、中国での投資需要低迷に加え、新型コロナの影響で減収となった。新型コロナは、家電や空調などのアプライアンス事業やBtoBのソリューション事業を中心に影響を及ぼした。固定費削減を実施したものの、事業譲渡益と構造改革費用を計上したその他損益が前年より悪化したことから、営業利益は大幅な減益となった。