日本チェーンストア協会が発表した全国スーパー(加盟55社)の2月の売上高は、既存店ベースで前年同月比4.1%増と、消費増税前の駆け込み需要があった2019年9月以来、5カ月ぶりのプラスとなった。一方、全国百貨店の既存店売上高(日本百貨店協会発表)は12.2%減の大幅なマイナスとなり、新型コロナウイルスの影響で明暗が分かれた。
新型コロナで巣ごもり消費が広がっており、全国スーパーの食料品売上高は5.8%伸びた。日用雑貨品や医薬・化粧品が好調だった住関品も1.6%増となった。気温が高く推移したことで衣料品は3.9%減だった。
一方、全国百貨店は新型コロナの感染拡大で訪日外国人客と国内客の客足が鈍り、入店客数が約1割減少した。特に訪日客は購買客数が68.3%減と急減した結果、免税売上高は約110億円と65.4%減少した。商品別では、衣料品が15.9%減、身のまわり品が16.7%減、化粧品や美術・宝飾・貴金属を含む雑貨が18.9%減と軒並み2ケタの減少となった。食料品も3.5%減と苦戦した。
また、日本ショッピングセンター協会がまとめた2月の既存ショッピングセンターの売上高も3.3%の減少となった。うるう年で営業日数が前年より1日多かったことに加えて、祝日増というプラス要因があったものの、外出自粛などの動きが広がり、客数が減少した。