[28日 ロイター] – 米アップルの第1・四半期(10─12月)決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。「iPhone」の売上が約1年ぶりに増加したほか、「AirPods」など周辺機器の需要も堅調だった。時間外取引で株価は2%上昇した。
同社の主要市場で生産拠点のひとつでもある中国で新型コロナウィルスの感染が拡大していることから、事業への影響が懸念されている。また、注目度が高いサービス部門の売上高は予想を若干下回った。
ただ、全体としては好調な決算となり、第2・四半期についても、アナリスト予想を上回る売上高の見通しを示した。
第1・四半期の売上高は918億ドルと、リフィニティブがまとめたアナリスト予想885億ドルを上回った。
1株当たり利益は4.99ドルで、アナリスト予想の4.55ドルを上回った。
<iPhone11は「最強」、周辺機器も好調>
iPhoneの売上高は559億6000万ドルで、アナリスト予想の516億ドルを上回った。前年同期は520億ドルだった。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「iPhone11」と「iPhone11 Pro」が販売の伸びをけん引したとし、今後の見通しにもそれが反映されていると説明。「11」シリーズはこれまでのiPhone製品の中で「最強だ」と述べた。
その他の製品では、腕時計型端末「Apple Watch」やワイヤレスイヤホン「AirPods」などを含む周辺機器部門の売上高が100億ドルを記録し、予想の95億ドル、前年同期の73億ドルを上回った。
クック氏はロイターに対してAirPodsやApple Watchシリーズ3について、第1・四半期に需要に生産が追い付かなかったと説明した。
<サービス部門は予想に届かず>
サービス部門の売上高は127億ドルで、前年同期の109億ドルから上昇。ただ、アナリスト予想の130億ドルには届かなかった。
アナリストは、サービス部門の売上高が今後、同社の粗利益率を押し上げると予想している。第1・四半期の粗利益率は38.35%。アナリスト予想は38.06%だった。
第2・四半期については、売上高が630億─670億ドルになると見込んでいる。市場予想は624億ドル。 粗利益率の自社予想は、38─39%。アナリスト予想は38.2%。
インストールベースと呼ばれるiPhoneやパソコンなどアップル製の機器を所有する顧客の数は、ここ1年で1億人増え、15億人を上回った。同社幹部は、音楽やテレビ、ゲームなどのサービスの有料会員を2020年末までに6億人にする新たな目標を設定した。