[東京 23日 ロイター] – 財務省が23日発表した2019年12月貿易統計速報は、貿易収支が1525億円の赤字だった。ロイターの予測中央値1500億円の赤字とほぼ同じ結果となった。輸出は前年比6.3%減で13カ月連続の減少となったものの、中国向け輸出が10カ月ぶりに増加に転じた。全体の輸入は同4.9%減だった。
輸出の減少品目は、自動車(11.8%減)、建設用・鉱山用機械(39.1%減)、自動車の部分品(10.9%減)など。一方、半導体等製造装置は25.8%増となった。
輸入の減少品目は、液化天然ガス(23.5%減)、原粗油(7.3%減)、石炭(17.5%減)など。
対中輸出は0.8%増で、10カ月ぶりの増加となった。半導体等製造装置(59.7%増)、ハイブリッド車などの自動車(36.3%増)、プラスチック(15.6%増)などが好調で、輸出全体を押し上げた。環境規制の強化で、先月に引き続きハイブリッド車の需要が高まっている。減少したのは、化学医薬品などの有機化合物(24.9%減)など。
対中輸出のプラス転換について財務省幹部は「現時点でトレンドが転換したとまでの判断するのは難しい。今後も注視していく必要がある」と話した。
対米輸出は14.9%減で5カ月連続の減少。11月(12.9%減)より減少幅が大きくなった。2000―3000ccを中心とした自動車が21.4%減となったほか、ギアボックスなどの自動車部分品(20.4%減)、航空機エンジンなどの原動機(17.7%減)が減少した。
2019年分の貿易収支は1兆6438億円の赤字で、2年連続の赤字となった。輸出は76兆9278億円、輸入は78兆5716億円で、ともに3年ぶりに減少した。
財務省幹部は輸出の減少について「様々な要因がある。ほぼ全ての地域で前年比マイナスとなったが、特に中国やASEAN向けの落ち込みが大きかった」と述べた。