2023年の日本の小売業売上高1000社ランキングは、上位陣の顔ぶれに大きな変化があった。ここ数年、同ランキングでは大手コンビニエンスストア(CVS)3社がトップ3を独占する構図が続いていたが、23年はファーストリテイリング(山口県)が3位に浮上し、ローソン(東京都)が4位に後退した。また、昨年7位だったイトーヨーカ堂(東京都)がトップ10圏外となり、マツキヨココカラ&カンパニー(東京都)やコスモス薬品(福岡県)など成長著しいドラッグストア(DgS)勢が新たにトップ10社に名を連ねている。上位10社の業績と今後の戦略を見ていこう。
1.セブン-イレブン・ジャパン
フェア開催で既存店好調今期は「SIPストア」の実験も
セブン-イレブン・ジャパン(東京都)の2023年2月期のチェーン全店売上高は対前期比4.0%増の5兆1487億円で、コロナ禍以前の19年度の水準を上回った。また、商品粗利益率が同0.2ポイント改善したことなどから、当期純利益は同7.0%増の2030億円となっている。
国内の期末店舗数は2万1252店。期中に597店を出店する一方、550店を閉鎖した結果、前期末から47店純増した。
既存店売上高は同3.6%増と好調だ。客数が同0.3%増と回復基調にあり、客単価は同3.3%増と前期からさらに伸びている。平均日販は67万6000円と、2001年以降で最高値となった。
好調な業績の要因のひとつとして、付加価値を重視した商品開発と販促、店舗オペレーションを有機的に連動させたフェアを連続的に展開したことが挙げられる。またワンストップショッピングのニーズに対応して取扱品目数を増やし、品揃えも拡充している。
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