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街角景気、11月は増税後の落ち込みから回復 戻り弱く製造業は悪化

都内の様子
12月9日、11月の景気ウォッチャーは、10月の消費増税による落ち込みから2.7ポイント回復した。とはいえ、DI水準は39.4と低く、反発力は鈍い。写真は都内で2015年12月撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 9日 ロイター] – 11月の景気ウォッチャーは、10月の消費増税による落ち込みから2.7ポイント回復した。とはいえ、DI水準は39.4と低く、反発力は鈍い。DIは10月に30台に落ち込み、8年半ぶりの低水準となったが、今月も40に届かなかった。

家計部門では、消費増税の影響はやや緩和されたとはいえ、高額商品の反動減はまだ消えていない。企業部門も製造業の景況感は米中摩擦の影響が一段と深刻化している。内閣府は街角景気について「このところ回復に弱い動きがみられる」と判断を据え置いた。

家計部門は10月から4.6ポイント上昇したが、増税前の40台には届いていない。「3カ月前に比べると売り上げの落ち込みは緩やかになってきている。消費増税の影響もやや薄れている」(中国・一般レストラン)といった指摘があるほか、「天候に恵まれ、キャッシュレス・消費者還元事業も多少はプラス要素になっている」(四国・衣料品専門店)といった声もある。

しかし、「宝飾品や化粧品、婦人服、紳士服などで影響がまだ残っている」(中国・百貨店)といい、高級品は振るわないようだ。「増税で客単価がかなり下がっており、売り上げが前年を下回っている」(九州・コンビニ)という影響もみられる。

一方、企業部門は2カ月連続で悪化。「受注状況は米中摩擦の影響を受け、低迷している分野がある。物流費や人件費の高騰も業況に悪影響」(北陸・プラスチック製品製造業)との声がある。

先行きは2.0ポイントの改善見込み。家計部門は、増税の影響が徐々に薄らぐ見通しやクリスマスや正月で購買意欲の回復を期待して、一段の改善が見込まれる。ただ企業部門は引き続き「海外需要の低迷」(甲信越・一般機械器具製造業)などにより、停滞感が続きそうだ。