[東京 30日 ロイター] – 経済産業省が30日に発表した9月の商業動態統計速報によると、小売業販売額(全店ベース)は前年比9.1%増となり、2014年に消費税率が引き上げられる直前の3月(同11.0%増)以来の伸びとなった。増税に伴う駆け込み需要などで、家電などの機械器具を中心に販売が大きく伸びた。ロイターの事前予測調査では6.9%増が予想されていた。
経産省は、3カ月移動平均を元に機械的に算出する基調判断を「一進一退」から「増加している」に上方修正した。上方修正は3カ月ぶり。
業種別では、家電やパソコンなどの機械器具が前年比37.9%増と、エコポイント制度変更前の駆け込み需要があった2010年11月以来の伸びとなった。冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの販売が伸びたほか、基本ソフト(OS)のサポート切れを前にしたパソコンの買い替え特需もあった。
自動車は16.9%増、医薬品・化粧品は16.4%増、食品は1.1%増となった。
業態別では、百貨店が衣料・高額商品の増加で22.1%増、スーパーは日用消耗品の販売が好調で5.4%増だった。一方、コンビニエンスストアは、昨年たばこの値上げ前で販売が増えた反動があり0.2%減だった。
家電大型専門店は52.4%増と急増。経産省は、増税前の需要に加え、エコポイント制度で購入された家電の買い替え需要があったと説明している。
ドラッグストアは食品中心の新店効果で21.8%増、ホームセンターは日用品や防災関連商品が好調で16.8%増だった。