[東京 8日 ロイター] – 内閣府が8日に発表した7月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが3カ月連続の低下となり、2016年4月以来の低水準となった。横ばいを示す50の水準は19カ月連続で下回っている。企業動向関連、雇用関連、家計動向関連のすべてが低下し、街角景気の悪化幅は一段と加速している。
DIの水準は41.2で、前月比2.8ポイント低下、前月までより悪化幅が拡大している。 内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を「天候など一時的下押し要因もあり、このところ回復に弱い動きがみられる」とした。
ウォッチャーらのコメントでも、「日照不足や梅雨寒が続き、例年とは全く違う販売動向となっている。期待する消費増税前の駆け込みも霧散しているかのようで、想定外」(南関東・家電量販店)など、天候不順を挙げる声が非常に目立った。
企業関連では「米中摩擦の影響が輸出型取引先の受注量に顕著に現れており、当面は生産調整により乗り切る」(中国・化学工業)など、貿易摩擦を挙げる声が多かった。
また先行きについては、 2─3カ月先を見る先行き判断DIは44.3で、前月比1.5ポイント低下。2カ月ぶりの低下となった。
消費増税に関連して「今回は駆け込み需要はあまりなく、変化はない」(北関東・情報サービス)との見方や、「お盆休み明けからは増税を控えて一段と節約ムードが高まると予想している」(東海・スーパー)などの声がある。また企業関連では「世界経済情勢の不透明感から、製造業を中心に様子見感の広がりが懸念される」(東海・職業安定所)といった懸念も広がりつつある。
(中川泉 編集:内田慎一)