[18日 ロイター] – 米マイクロソフトの第4・四半期(4─6月)決算は、売上高と利益がそろって市場予想を上回った。クラウドサービスが引き続き好調だった。時間外取引で株価は過去最高値をつけた。
基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」のアップデートに伴う収入も収益を押し上げた。
サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が2014年に就任して以降、マイクロソフトは、ウィンドウズ事業からクラウドサービス事業に焦点をシフトさせている。
クラウドを介して計算処理の能力を提供する「アジュール」の売上高は64%増。ただ、伸びは前年同期の89%、前四半期の73%から鈍化した。
同社は、アジュール単独の売上高は公表していない。アジュール部門は「インテリジェント・クラウド・ユニット」部門の売上高に含まれている。インテリジェント・クラウドの売上高は114億ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は110億ドルだった。
インテリジェント・クラウド部門の第1・四半期売上高は103億─105億ドルになるとの見通しを示した。この予想中央値は、アナリスト予想(101億3000万ドル)を上回る。
引け後の取引で同社株は2.6%超上昇し、140ドルを突破、過去最高を記録した。
クラウド事業の拡大を背景にマイクロソフトの時価総額は4月に初めて1兆ドルを突破した。また今回の四半期決算では、アジュールをベースにした事業部門の四半期売上高がウィンドウをベースにした部門の売上高を小幅ながらも初めて上回った。
クラウド分野では、アマゾン・ウェブ・サービシズがアジュールの競合。調査会社カナリスによると、シェアは、アマゾンが32.8%、マイクロソフトが14.6%、グーグルが9.9%。
純利益は131億9000万ドル(1株当たり1.71ドル)と、前年同期の88億7000万ドル(同1.14ドル)から増加。特別項目を除く1株利益は1.37ドルで、アナリスト予想の1.21ドルを上回った。
総売上高は12%増の337億2000万ドル。予想は327億7000万ドルだった。
「ワード」や「エクセル」などの業務ソフトをサービスとして提供する「オフィス365(企業向け)」などの好調が主導し、プロダクティビティー・ソフトウェア事業の売上高は14.3%急増の110億5000万ドル。予想は107億1000万ドルだった。
パソコン部門の売上高は113億ドルに増加。アナリスト予想の109億8000万ドルを上回った。同部門にはゲーム専用機「Xbox」、「Bing」検索サービス、ラップトップ「サーフェス」も含まれる。