スーパーにおける簡便調理麺類の計画購買性
第3回では、前回ご紹介したスーパーのカテゴリー別計画購買比率の結果より、簡便調理麺類(冷凍麺、インスタント袋麺、カップ麺)にフォーカスしてさらに細かい調査結果をご紹介します。
簡便調理麺類の中では、カップ麺が冷凍麺やインスタント袋麺に比べて非計画購買の比率が高く、非計画購買が起こりやすいカテゴリーとなっています。
冷凍麺の計画購買性
冷凍麺は購入の過半数を女性40-50代が占めています。
計画購買比率は性年代で大きな差はありませんが、強いて言えば女性20-30代でブランド計画購買の比率が高い傾向があります。メーカーは店外施策を行う場合、女性の比較的若い世代をターゲットとすると効果的かもしれません。
非計画購買の発生理由としては、条件購買が最も高く、続いて想起購買、衝動購買と続きます。特に、想起購買はインスタント袋麺やカップ麺に比べても高い値となっています。買物行動の動線の工夫やPOPによって視認率を上げることで、店頭で必要性が思い出され、購入確率が高くなる可能性があります。
インスタント袋麺の計画購買性
インスタント袋麺は、冷凍麺ほどではありませんが、女性40-50代の購入比率が45%と最も高くなっています。
計画購買比率では、男性の方が女性よりも計画購買の比率が高く、インスタント袋麺自体やインスタント袋麺のブランドにこだわりがあるということが考えられます。メーカーは店外施策を行う場合、男性をターゲットとすると固定ファンがつきやすいかもしれません。
一方で女性は計画購買よりも非計画購買の比率が高く、店内施策が有効と考えられます。
非計画購買の発生理由の内訳をみると、条件購買が最も高く、想起購買と衝動購買が同程度です。他のカテゴリーと比べると3つの発生理由の間に大きな差はないため、施策を検討する際にはさらに細かく(属性別等)非計画購買の発生理由の内訳を見ていくことが必要かと思います。
カップ麺の計画購買性
カップ麺の購入比率は男女半々で、年代では40-50代の購買が高くなっています。
いずれの年代も非計画購買が半数を超え、その中でもボリュームゾーンである女性40-50代の非計画購買比率が高くなっています。非計画購買比率が高いカップ麺は、バスケット内の購買点数を増やせる可能性が高いカテゴリーといえるので、店内施策を行うことが重要です。
非計画購買の発生理由の内訳は、条件購買が最も高く、続いて衝動購買、想起購買と続きます。インスタント袋麺やカップ麺に比べて衝動購買が高く、新商品をアピールしたり、商品を魅力的に見せる工夫をしたりすることで購入確率が高くなる可能性があります。
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- 想起購買:家庭内の在庫切れなど、店頭で商品やPOPを見て商品の必要性を思い出し購入する購買行動
- 関連購買:他の購入商品との関連性から店舗内で必要性を認識し、商品を購入する購買行動
- 条件購買:来店時には明確な購入意思を持っていないが、値引きなどの条件により店頭で購入意向が喚起され、商品を購入する購買行動
- 衝動購買:商品の新規性や衝動により、商品を購入する購買行動
※(財)流通経済研究所「インストア・マーチャンダイジング」より引用
参考:(財)流通経済研究所「インストア・マーチャンダイジング」
※調査条件
調査パネル:マクロミル MHS(消費者購買パネル)
・調査対象者 :15~59歳男女
・エリア :全国
・業態 :スーパー/コンビニエンスストア
・回答デバイス :スマートフォン
・調査時期 :2017年2月8日~2017年2月22日
・有効回答数 :10416件 ※購入機会数
・対象カテゴリー :スーパー/コンビニエンスストア 各9カテゴリー
【プロフィール】
株式会社マクロミル
マクロミルは、高品質・スピーディな市場調査を提供する、国内インターネット・マーケティング・リサーチのリーディング・カンパニー。世界13カ国、34の拠点を展開しており、世界に誇れる実行力と、時代を変革するテクノロジーを統合し、唯一無二のグローバル・デジタル・リサーチ・カンパニーを目指している。
(執筆)
リサーチプロダクト本部
パネルデータ事業部 企画グループ
中村彩子
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