じぶん”への関心が生み出した新たな需要
「男性ってパンツを買わないよね」。ある女性と話しているときにこんな卓たっ見けんを聞いた。彼女曰く、学生時代は母親が買ってくれ、結婚すれば妻が買ってきてくれる。「そもそもどんなパンツをはこうか興味がないんだもん」だそうだ。パンツだけではなく、男性によっては靴下も同じようなものかもしれない。結局のところ、興味のない対象に消費欲が向かうことはないのである。
ところで、コロナ禍は一段落しつつあるとはいえ、在宅勤務を続けるビジネスパーソンは多い。テレビ会議も一時期に比べれば減ったが、「Teams」や「Zoom」は必須アプリであり続けている。テレビ会議が増えるなかで、自分自身の容姿や映り具合を見つめる機会が増えた、という人は少なくないだろう。
とくに男性にとっては、毎日のように一定時間、自分を画面越しに見る経験など、初めてに近いことかもしれない。かくいう私もそうだ。肌の荒れや髪型、そしておじぎをした際に後頭部の薄さに気づく……。これまで大きな関心事でなかった“じぶん”が突如として気になる存在になった。
雑居ビルの2階以上にあった居酒屋がコロナ禍で集客できずに閉店し、その跡地に
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