総菜市場の規模はいまや10兆円超。産業を支える企業の大半は中小零細企業が占め、生産性を向上させ、良質で安全な総菜を提供するためには業界の近代化・合理化が急務とされている。経済産業省の予算事業である「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」は、その解決に取り組むための実証事業。製造企業の共通課題である盛り付け作業の克服に向け、ロボット制御技術やハンド技術の開発にトップクラスの企業が協力し合う。小売業ではベルクとマックスバリュ東海などが導入企業として参加した。実りあるモデル実証事業にしてもらいたい(9月23日~29日のニュースをまとめました)。
ベルク
日本総菜協会と共同でロボット・AI導入を推進
業界の人手不足解消を目的にAI・ロボット化を進める日本総菜協会が、経済産業省の「令和4年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」モデル実証事業に採択された。
ベルクはパートナーとして、協会とともに「小型・廉価総菜盛付・トレー供給ロボットシステム開発」、「産業用ロボット活用高速弁当盛付ロボットシステム開発」の導入を推進していく。ロボットにとって盛り付けやすい方法や、つかみやすい包装容器のあり方などを探ることを目的にした実証事業で、トップ技術を持つベンダーの協力を得て取り組んでいく。
ヤオコー
「八王子鑓水店」を開店
ヤオコーは9月28日、東京都では13店舗目となる「八王子鑓水店」を開店した。ヤオコー180番目の店舗で、多摩ニュータウン再開発地区の一角に位置した大型商業施設「ビバモール八王子多摩美大前」内にテナントとして出店した。売場の特徴は以下のとおり。
精肉…地域一番の和牛焼肉売場を目指し、食べ応えのある厚切りの盛り合わせ、グレード感のある食べ比べセットなどを名物商品として取り揃えた。
鮮魚…「旬」と「鮮度」を打ち出し、魚のおいしさを訴求していくほか、おかずの提案と並行して商品特性や調理方法、豆知識などの情報も発信していく。
青果…野菜は平日と週末で量目に変化をつけ、果物は少量からカットフルーツやギフトまで、量目、商品の組み合わせに重点を置いた。
総菜…米飯・麺類、ローストビーフ丼など、ランチに合わせた売場づくりを行い、少量のサラダなど「もう1品」を充実。週末はパエリアや巻物などの米飯盛り合わせを強化し、鉄板商品をオープンキッチンでライブ演出。また、寿司は握り寿司のおいしさをアピールしていく。
インストアベーカリー…旬のフルーツを使ったタルトやデニッシュなどのスイーツコーナーを充実。こだわりの素材を使った「世界のバーガー」をシリーズ化して提供していく。
グロッサリー…日配食品はデザートを強化。ワンハンドフードや個食スイーツも品揃えした。また、銘店ラーメンをコーナー化し、月1回程度、商品の入れ替えを実施。ドライ食品ではシーズニングの品揃えを強化し、料理の幅が広がるメニューの提案を行っていく。
- 所在地・・・・・東京都八王子市鑓水2-108-1
- 売場面積・・・684坪
- 年間売上・・・26億円(初年度)
- 営業時間・・・9時~21時
- 従業員数・・・正社員19名、パートナー・ヘルパー・アルバイト140名(延べ)
ウオロク
均一セール価格を「77円」に変更
ウオロクは10月6日から「木曜セール」で実施してきた「69円均一」(税抜)を「77円均一」に変更する。仕入れ価格上昇などからの影響で、これまで同様の品揃えを確保・維持していくために、やむを得ず8円アップした。
アルビス
「来店受取型」ネットスーパーの実施店舗を拡大
アルビスは9月22日、富山地区で実施している非配送型のネットスーパー「らくらくスマホオーダー」を、石川地区の2店舗(野々市三納店、笠舞店)でもスタートさせた。同サービスは前日に注文した商品を、翌日にクルマに乗ったまま駐車場で受け取る「来店受取型」のネットスーパーで、2000円(税抜)以上の購入が条件となる。1回につき200円(税抜)の利用料を支払う。決算はクレジットカードのみ。
マックスバリュ東海
「静岡曲金店」がリフレッシュオープン
マックスバリュ東海は9月30日、2010年3月開店の「静岡曲金店」を再オープンする。「『まごころのこもった接客』と『価値ある商品』でお客さまの毎日のくらしを応援する店”を店舗コンセプトに、売場や設備を刷新。
じもの商品を拡充するなど、顧客のニーズに合わせた商品を提供していく。また、健康的な食生活を提案する「ちゃんとごはん」商品や、メニューの提案にも重点を置いた。
- 所在地・・・・・静岡市駿河区曲金7-7-15
- 売場面積・・・623坪
- 営業時間・・・24時間
- 駐車台数・・・143台
- 従業員数・・・67名(うち正社員10名、8時間換算)
デリカ工場に導入の総菜自動盛付ロボットで新たな取り組み
経済産業省の予算事業である「令和4年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」で、昨年度の総菜盛付ロボットシステムの開発に続き、日本総菜協会、パートナー企業とともに、新たな作業工程におけるロボット開発、AIと量子コンピュータによる仕事量に応じた自動ソフト計算に取り組む。
現行3アイテム8SKUの盛り付けを総菜盛付ロボットが行っているが、6アイテム16SKUの製造に向けて取り組んでいく。
マックスバリュ西日本
「ザ・ビッグ淀江店」をオープン
マックスバリュ西日本は10月8日、山陰エリアで3店舗目のザ・ビッグ業態「ザ・ビッグ淀江店」をグランドオープンする。ザ・ビッグは「買えば買うほど安さがわかります」をモットーに、食品、日用雑貨、衣料品などを品揃えしたディスカウントストアで、山陰ではこれまで境港店、東出雲店が出店。
- 所在地・・・・・鳥取県米子市淀江町中間1091-1
- 売場面積・・・1042坪
- 営業時間・・・9時~21時
- 駐車台数・・・183台
サンリブ
スターフライヤー監修の機内食を販売
サンリブはこのたび、航空会社のスターフライヤーが監修したオリジナル弁当を開発した。国際線で使用しているミールボックス(包材)を活用し、就航地域(東京、大阪、名古屋、台湾)にちなんだ4種類を販売。
オリジナル弁当は、「サンリブシティ小倉」と「サンリブ BUONO 原」の2店舗において、期間限定(10月の土・日曜日)で販売。販売数も1日40個(4種類×10個)に限定する。