ここまで、コスモス薬品の経営戦略や売場・商品づくりなどについて見てきた。しかし、実際の利用客はどのような買物行動をとっているのだろうか。そこで、mitoriz(東京都:木名瀬博社長)とipoca(同/一之瀬卓社長)の2社の協力のもと、レシートデータとGPS(人流)データを組み合わせたコスモス薬品における利用動向を調査。その分析結果を発表・解説する。
メーン利用するDgSは3割超がコスモス
mitoriz(ミトリズ)は、全国100万人以上のアクティブユーザーからレシート画像とアンケート回答を収集する購買証明付き購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(ポイント・オブ・バイ:以下、POB)」を保有している。今年8月には、スマートフォンの位置情報を起点に消費者の行動を分析するサービス「ミセシル」を運営するipoca(イポカ)と提携し、GPSデータとレシートデータとを組み合わせ、消費者の購買行動やその背景などを分析するサービスとして「ミセシル競合レシート」もスタートしている。
まず本特集に当たって、2022年9月2~7日、福岡県に在住するPOBの会員525人を対象に、ドラッグストア(DgS)および食品スーパー(SM)の利用に関するインターネットアンケートを実施した。回答者の平均年齢は51.2歳で、女性が55.8%を占めている。
食品の購入先についてたずねると(図表❶)、「メーンはSM、必要なときにDgSを利用」が60.2%で最も多く、「ほぼSMしか利用していない」(22.3%)と合わせてSMをメーンで利用している人の割合は8割を超えた。一方、「SMとDgSを半々で利用」(10.1%)や「メーンはDgS、必要なときにSMを利用」(4.0%)、「ほぼDgSしか利用していない」(0.6%)は少数にとどまっている。
コスモスの利用頻度はSMとほぼ同等
次に、「コスモス薬品」「ドラッグイレブン」「ハローデイ」「イオン・マックスバリュ」の4チェーンを対象に、メーン利用者の購買動向を比較した。
メーンで利用するチェーンの利用頻度をたずねたところ(図表❹)、
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