[東京 24日 ロイター] – 総務省が24日発表した11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は100.1と、前年同月比0.5%上昇した。20年2月以来の高い伸び率となった。原油高でエネルギー価格の伸び率が一段と拡大し、指数を押し上げた。総務省の担当者は携帯電話の通信料の下落がコアCPIを1.5%ポイント程度押し下げたと指摘。携帯料金の大幅値下げがなければ、日銀の物価目標に到達していたことになる。
ロイターがまとめた民間予測は前年同月比0.4%上昇だった。
11月のエネルギー価格は15.6%上昇と、前月の11.3%上昇から伸び率が拡大して2008年8月以来の伸び率。このうち、ガソリンは27.1%上昇で08年7月以来、灯油は36.2%上昇で08年10月以来の高い伸びとなった。
政府の観光需要喚起策「GoToトラベル」が実施された前年の反動で、宿泊料は57.6%の上昇。伸び率は前月の59.1%上昇を下回った。
携帯電話の通信料は53.6%下落で過去最大の下落率となった前月から変わらず。総合CPIの寄与度でマイナス1.48ポイントとなった。
総務省の担当者は、政策要因や市況などの外的要因を除けば「物価は安定して上昇している」と話した。
11月の総合指数は前年同月比0.6%上昇して、前月の0.1%上昇から伸び率が拡大した。20年1月以来の伸び率。コロナ禍で遠洋漁業が手控えられる一方、外食需要の回復でマグロが14.1%上昇するなど生鮮魚介が上昇した。生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は0.6%下落した。