[東京 7日 ロイター] – 総務省が7日発表した10月の家計調査によると、2人以上の世帯の実質消費支出は28万1996円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年比0.6%減少した。3カ月連続のマイナスとなったが、緊急事態宣言の解除で消費の下落幅は前月から縮小。ロイターの事前調査の予想(同0.6%減)と一致した。
一方、新型コロナウイルス感染者の状況が落ち着いていたため、前月比でみると消費は回復した。季節調整済み実質消費支出は前月比3.4%増で、2カ月連続のプラスとなった。
前年比で減少に寄与した品目は、テーブル・ソファーや電気洗濯機などの家庭用耐久財、国内パック旅行費などの教養娯楽サービスだった。一方、航空運賃や鉄道運賃などの交通、弁当や冷凍調理食品などの調理食品は増加に寄与した。
また、飲酒を含む外食支出は前年比で4.0%減少したが、先月20.1%の落ち込みからは下げ幅を縮小した。
内閣府の担当者は「コロナの影響は弱まりつつある」とする一方、新型コロナの新しい変異株「オミクロン株」の影響で不透明な状況もあり、引き続き注視していく考え。
1世帯当たりの消費支出を、コロナ前の2019年10月と比較すると1.4%増加した。ただ、内閣府は、2年前の同月は消費税引き上げの直後であったため、駆け込み需要の反動による消費縮小の影響がでていたことに注意が必要とした。