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新体制でSCの姿をどう変えるか?東急リテールマネジメント堀田社長が激白

「東急百貨店」「SHIBUYA109」「東急スクエア」──東急(東京都/堀江正博社長)およびその連結子会社では、東急線沿線を中心に多くの商業施設を展開している。その東急の商業施設事業が2025年8月に大きく再編された。

百貨店・商業施設の運営などを手がける6社を束ねるかたちで、事業統括新会社の東急リテールマネジメント(東京都/堀田正道社長:以下、TRM)が発足した。国内でも有数の肥沃なマーケットで事業展開する同社は今後、どのようなかたちで成長していこうとしているのか。

事業会社6社を統括取引、テナントは2000社超

──TRM設立の経緯について聞かせてください。

堀田  これまで東急とその連結子会社(以下、本文では東急および同社の連結子会社を「グループ」と総称)は、百貨店運営の東急百貨店(東京都/稲葉満宏社長)やショッピングセンター(SC)の運営・管理を手がける東急モールズデベロップメント(東京都/小山晃司社長:以下、TMD)など、個社ごとに商業施設を展開し、成長を遂げてきました。各社はコロナ禍で業績が悪化したものの、構造改革が進み、現在は再成長のステージに入っています。

 そこで、各社がそれぞれの業態で培ってきたノウハウやお客さまとのつながりを結集し、グループで一体となってさらなる成長をめざすべく、商業施設運営事業子会社を束ねる事業統括会社としてTRMを設立しました。

 TRM傘下の事業会社では2000社以上のテナントと取引しており、3300区画以上を差配。テナント売上高は4600億円規模にのぼります。これまで個社で対応してきたリーシングの窓口をTRMに一本化することで、スケールメリットを発揮できます。

「東急百貨店」「東急スクエア」をはじめ、東急沿線で数多くの商業施設を運営するTRM。渋谷のシンボル的な存在である「SHIBUYA109」もその1つだ

 また、渋谷エリアでは、東急百貨店本店跡地で29年度に竣工予定の「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」や31年度に完成する渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)、宮益坂地区第一種市街地再開発事業と、大型の再開発プロジェクトが今後も続きます。

 すべてが開業すると、グループの商業施設の総面積は現在の約1.7倍に増加する見込みです。グループ全体の商業施設運営の能力を結集して、これらの新プロジェクトに対応していく必要があります。

──商勢圏、商業施設運営の事業環境をどのように見ていますか。

堀田  われわれの強みは、東急線沿線に

この記事のキーポイント

  • 百貨店事業とショッピングセンター事業を統合し、スケールメリットを活かしたテナント誘致や効率的な運営体制を構築している。

  • 百貨店の顧客対応ノウハウをグループ全体に展開し、顧客との関係性をより密にすることで、リピート利用を促す仕組みを構築している。

  • 渋谷をはじめとする東急線沿線の再開発により、商業施設の面積を約1.7倍に増やす計画があり、今後も成長が見込まれている。

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