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平均年商28億円!大手とは“ディファレント”な存在めざすクックマートの稀有な戦略とは

ローカルスーパー1280

クックマート(愛知県)は、愛知県・東三河~静岡県・浜松エリアで食品スーパー(SM)「クックマート」を現在12店舗展開。平均売場面積300坪と小型ながら、1店舗当たり平均年商が約28億円と大手を凌ぐほど支持を得ている「ローカルスーパー」だ。その強さの源泉にあるのが、自社の強みにフォーカスした独自の競争戦略だ。その実態と、現在までの道のり、そして今後のビジョンについて、白井健太郎社長に聞いた。

自社の個性を見出し、コンセプトとして言語化

──クックマートは、直近の5年で店舗数がほぼ横ばいにもかかわらず、売上高を伸ばし続けています。

白井 健太郎(しらい・けんたろう)
●1980年愛知県豊橋市生まれ。明治大学商学部卒業後、インターネット広告、キャラクタービジネス、映像制作、観光プロモーション、クリエイターのエージェントなどを経験。2010年デライト関連会社である食品卸問屋に入社。2012年デライト入社。2017年より代表取締役社長。今までのスーパーマーケット業界の常識にとらわれず、「楽しさ」「内発的動機」を中心とした「人を幸せにする新しいチェーンストアの創造」をめざしている

白井 売上高を既存店ベースで伸ばし続けているのが特徴です。2023年度には既存店売上高が対前期比約7%増と伸長し、売上高は337億円となりました。

 クックマートは、1995年に創業した業界でも後発のSMです。だからこそ変に大手SMを真似せず、マイペースに、できないことは捨て、むしろ自社の強みに集中するアプローチを採ってきました。

 経営学者の楠木建先生(一橋ビジネススクール特任教授)が「違いには違いがある」とおっしゃっていて、この言葉がとても好きです。それはすなわち、「違い」には「ベター(better:程度の違い)」と「ディファレント(different:種類の違い)」の2種類があるということです。

 SM業界では同じ土俵で自社と他社を比較し、どちらが「ベター」かを競い合う傾向が強いと感じています。しかしそれは究極のところきりがありません。

 対して、自社のコンセプトに基づき、自社のよさを生かすために必要なことをやり続けていくと、売場や商品といった表層の部分だけでなく、深層の組織文化や人事制度も独特になっていきます。それは他社と比較できるもの(ベター)ではなくまさに「別物」=「ディファレント」になるということ。自社独自のコンセプトを見出し、自社の気質や体質に合うことをやれば、おのずと「ディファレント」な存在になるような気がします。

──クックマートの独自性は、いかに培ってきたのでしょうか。

白井 2012年に私が入社した当時、

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