近年、環境配慮やSDGs(持続可能な開発目標)といった観点から日本でも食品ロス削減に対する意識が高まりつつある。そうしたなか、主に賞味期限が迫っている食品を販売し、食品ロス削減に取り組んでいるのが「ecoeat (エコイート)」だ。本稿では、同業態の戦略について解説する。
1900トン以上の食品ロスを削減
西武池袋線「東久留米」駅の西口から歩いて約5分。とあるマンションの1階にあるのが、今回取材を実施した「ecoeat 東久留米店」(東京都東久留米市:以下、東久留米店)だ。店内に入ると、賞味期限間近の、もしくは期限切れの飲料や菓子、調味料、レトルト食品、ギフト商品などが所狭しと並んでいる。
エコイートを立ち上げたのは、NPO法人の日本もったいない食品センター(大阪府/高津博司代表理事)。高津氏が商社を経営するなかで感じた、賞味期限が切れた多くの食品が廃棄されている一方、貧困層に食品が行き渡らないという状況を少しでも改善したいと思い、2017年2月に食品ロス削減や施設への食品寄付を主な目的とするNPO法人を設立した。その後、活動資金を捻出するため、19年4月にエコイートの1号店をオープンして以降、全国各地に18店舗(22年12月時点)を展開。エコイートを含む同NPOの活動では、22年1~11月の累計で1900トン以上の食品ロスが削減されている。
東久留米店を運営しているのは、社会福祉法人の埼玉福祉会(埼玉県/並木則康理事長)。もともとは埼玉県内に別の店舗を運営していたが、現在は閉店。21年1月に東久留米店をオープンした。
エコイートの運営は、埼玉福祉会のように、日本もったいない食品センターに加盟している会員の企業や団体が担うという、フランチャイズのような方式を採っている。「お金儲けではなく、このNPOやエコイートの趣旨や考え方に賛同していただける方と協業している」(高津氏)が、運営はある程度自由で、東久留米店ではLINEを活用した会員プログラムやスタンプカードなどの販促施策に取り組んでいる。また、店舗規模や取り扱い商品なども店舗によってさまざまで、東久留米店の売場面積は約20坪だが、なかには300坪規模の店舗も存在する。
本部での研修で安全性を担保
エコイートで取り扱う商品は、
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。