バローホールディングス(以下、バローHD)は近年、積極的なM&A(合併・買収)を通じ、多くの企業を傘下に収めてきた。その顔ぶれは、地域で事業展開するローカルチェーン、また種々の製造業と幅広い。バローHDがM&Aに取り組むねらいとは何だろうか。また買収後の活性化への取り組みもあわせてレポートする。
今年、包装メーカーを買収
バローHDは近年、積極的にM&Aを手掛けている。今年3月、連結子会社でグループの商社機能を担う中部流通(岐阜県)が、昭和フイルム(大阪府)の発行済全株式を取得し子会社化すると発表した。
昭和フイルムは、合成樹脂の原料と製品、インテリア商品の販売を手掛ける企業。グループ化した理由をバローHDは①当社グループ企業とのシナジー、②軟包装フイルムの SCM(サプライチェーン・マネジメント)の効率化、③付加価値訴求型の小ロット製造商品に対応したプロセスイノベーションの推進の3つを挙げる。
バローHDは売上ベースでは小売を主体とする企業群ではあるが、製配販を最適に管理する流通業を志向。そのための重要なピースとなるわけだ。
バローグループは現在、57もの企業を有する。過去5年に限っても、実に17社ものM&A を実施、その顔ぶれは多様だ。2020年8月に傘下に収めたのは調味料メーカー。SPA(製造小売)を志向する中、オリジナルの味を追求、競合店との差別化に活用するねらいがある。また製造系の子会社間にタレという横串しを刺し、シナジーの密度を上げる構想だ。
21年10月には
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