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第95回 マーケティングの「4C」が変える小売業の価値とは

我々が学んだマーケティングの4Pは過去のものとなり、今は4Cへと変化している。この提唱者の先見性に驚くが、近年のリテールの変化とショッピングセンター(SC)の価値変化は、この4Cから説明することができる。今回は、その4C理論をSCの実務と結びつけたい。

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マーケティングの変化

 マーケティングを学ぶとまず4Pが登場する。4Pとは、Product(商品、製品)、Price(価格)、Place(販売場所、流通経路)、Promotion(販売促進)の頭文字を取ったものである。マーケティングでは、最もスタンダードなフレームワークである。

 このフレームワークの特徴は「何を売るか、いくらで売るか、どこで売るか、どうやって買ってもらうか」と販売戦略を事業者側の立場から市場や消費者を俯瞰し、その分析から商品を開発する。その上で値付けし、販売ルートを決め、マスコミを使って販売する。いわば、商品を市場に投入する「プッシュ型」の志向である。

 しかし、近年、このような事業者視点ではなく利用者側(顧客)の視点で考えるフレームワーク、4Cが米国のRobert Lauterborn氏によって提唱される。

 それは、Customer Value(顧客価値)、Customer Cost(顧客のコスト)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客とのコミュニケーション)の頭文字を取ったものである。

 「顧客がその商品やサービスに感じる価値は何か、顧客がその商品やサービスを購入する際、金銭だけでなく時間コストや後々の管理コストなどどれだけ負担するのか(できるのか)、また購入に必要な情報の取得や購入の利便性を顧客に提供できるのか、長期にわたり顧客と良好な関係を維持し相互性(コミュニケーション)を保つためにどのようなことを行わないとならないのか」など顧客が感じる価値を重視することで、円滑なマーケティング活動を求める。

図表1:4Pと4Cの特徴

4P

考え方

4C

考え方

Product

(製品)

何を売るか

Customer Value

顧客にとっての価値、情緒的ベネフィット、課題解決

Price

(価格)

いくらで売るか

Customer Cost

顧客にとっての負担、価格、移動時間、維持管理

Place

(場所、流通)

どこで売るか

Convenience

顧客の利便性、購入手段、購買チャネル、情報の入手

Promotion

(販売促進)

どうやって買ってもらうか

Communication

売り手と買い手、双方向でのコミュニケーション

ECの伸長

 この視点が大きく影響を及ぼしたものが、ECの伸長である。

 リアル店舗では実現できない品揃え、購買に移動を必要せず、返品も店舗へ出掛ける必要はない。24時間、どこからでも利用でき、その後もオンラインで多くのサービスを受けることができる。また、購買記録から同一商品を迷うことなく購入可能であり、都度、カード番号の入力も不要、購買履歴からレコメンドされる利便性をECに価値を見出す。これが前述の4C

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