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セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ

小売業界の2大グループ、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)とイオン(千葉県/吉田昭夫社長)の2025年2月期上期決算はいずれも増収、2ケタの減益となった。物価高で消費者の節約志向が強まり、食品などを扱う子会社の業績が悪化、打撃を受けたかたちだ。カナダ企業からの買収提案を受けるセブン&アイは対抗策を念頭に、新たなグループ再編構想を打ち出した。

セブン&アイホールディングス
CVS事業の減益が打撃、ネットスーパー撤退

 セブン&アイの2025年2月期上期の連結業績は営業収益(売上高+営業収入)6兆355億円(対前年同期比8.8%増)、営業利益1869億円(同22.4%減)、経常利益1672億円(同26.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は522億円(同34.9%減)と、増収ながら大幅な減益となった。

 営業収益の約84%を占める国内と海外のコンビニエンスストア(CVS)事業が減益となり、業績の足を引っ張った。日米で物価の高騰によって中低所得者層の生活防衛意識が高まり、お客が離れた。

 国内CVSは客数が低迷し、既存店売上高は同0.2%減と前年同期を割った。新世代システムやセブンナウへの投資負担も増加し、減収・営業減益となった。

 「セブン-イレブン」では9月から低価格商品を投入する「うれしい値!宣言」を実施するなど、客数増に向けたてこ入れ策を打っているが、「(上期は)環境変化への対応が遅れた」と井阪社長は話す。

「セブン-イレブン」では9月から低価格商品を投入する「うれしい値!宣言」を実施するなど、客数増に向けたてこ入れ策を打っているが、「(上期は)環境変化への対応が遅れた」と井阪社長は話す〔写真説明〕セブン&アイ・ホールディングスのロゴ=10日、東京都千代田区(時事通信社)

 海外CVSはインフレに加え、コロナ禍での政府の各種支援策が終了し、お客がディスカウントストア(DS)やホールセラーに流出。既存店売上高は同3.2%減に落ち込んだ。3~5月は商品原価の上昇を価格に転嫁せず、6~8月は一部商品で価格に転嫁したが、必要な粗利益額を確保できず、2ケタ増収ながら同26.5%減の大幅営業減益となった。

 スーパーストア(SST)事業も

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