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京都生協、旗艦店建て替えで30代客が3割増!その取り組みとは

京都生活協同組合(京都府/畑忠男理事長、以下、京都生協)はこのほど、旗艦店の「コープ二条駅」を建て替え、リニューアルオープンした。以前は少なかった子育て層の来店が増えるなど利用が拡大。今年、創立60周年を迎える同生協では、宅配事業でも種々の新施策を計画し、「2030年度 総供給高1000億円」の達成をめざしている。

23年11月、建て替えオープンした旗艦店「コープ二条駅」

京都生協概要
本部所在地 京都市南区吉祥院石原上川原町1-2
出資金 188億4,714万円(24年3月20日時点)
事業高 836億3,734万円(24年3月期)
組合員数 57万3,897人(24年3月20日時点)

旗艦店「コープ二条駅」29億円めざす

 京都生協は、京都府を活動エリアとして事業展開する。2024年3月期の事業高は836億円(対前期比0.3%増)、組合員は57万3897人。主たる供給事業の内訳は、宅配570億円(同2.7%減)、店舗228億円(同5.1%増)だった。

 事業環境に目を向けると、年々、厳しさが増している。ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)が京都市中心部で店舗網を拡充するほか、ネットスーパーも強化。またロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)をはじめ、ディスカウント型食品スーパー(SM)も台頭しつつある。

 このなかでも、京都生協は支持を獲得しており、宅配が影響を受けつつも、総じて総事業高が堅調に推移しているのは冒頭の数値が示す通りだ。

 さて同生協が産声を上げたのは1964年、前身の京都洛北生協が設立されたのが起こり。その後、72年設立の洛南生協と78年に組織を統一、「京都生協」となり現在に至る。

 そんな京都生協は今年11月、創立60周年の節目を迎える。髙倉通孝専務理事は、「現在、掲げるのは『2030年度 総供給高1000億円』という数値目標。京都でも競争が激化しているが、宅配、店舗の両事業を伸ばし達成したい」と力を込める。

京都生協の髙倉通孝専務理事

 事業拡大をめざすなか、最近の注目トピックは旗艦店「コープ二条駅」のリニューアルである。もともとのオープンは02年で、以来、京都生協では最大の供給高を誇る「一番店」として全店をけん引してきた。

 だが開業から20年、同店を取り巻く環境は大きく変化している。11年、北東50mの至近に「ライフ二条駅前店」がオープン、加えて商圏内には有力SMやショッピングセンターなどが相次いで開業した。

 これに対し京都生協では22年6月、コープ二条駅をいったん閉め、建て替え工事に入る。そして1年半を経た23年11月、新たなスタートを切った。リニューアル前、21年度の供給高は24億円だったが、初年度26億円、30年度には29億円を目標に設定する。

 新生・コープ二条駅には、最新の品揃え、売場づくりの要素を取り入れ、魅力度アップを図った。「生協ならでは」のテーマも組み合わせ、一般のSMとは一味違う店づくりを行っている。

若年客が、大幅増!

 京都生協の最新店舗は、どのような取り組みを行っているのだろうか。確認のため、リニューアルしたコープ二条駅に足を運んだ。店舗構造は4階建て、1階が生協店舗(売場面積421坪)、2階はテナントの「無印良品」。

 生協店舗は、「ゆたかで たのしく おいしい エシカルマルシェ」をコンセプトに、従来は少なかった子育て層へも積極的にアプローチしているのが特徴である。

 店内すぐの場所から見渡すと、

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