卸売・小売業では約60万人の人手不足に
日本の労働市場における人手不足の進行は、小売業界においても例外ではない。パーソル総合研究所・中央大学による「労働市場の未来推計2030」によれば、2030年に卸売・小売業において約60万人もの人手が不足する見通しである。
労働市場における需要超過が予測される未来では人件費単価の上昇が見込まれ、30年の小売業のパート・アルバイトの時給は都市部で1145円(対22年比130円増)、地方部においても1021円(同135円増)となる見込みである。
このような状況下で小売各社は積極的に業務効率化を推進しており、店舗オペレーションに必要な各フロー(発注・検品業務、店舗運営、バックオフィス業務、接客・決済、配送など)において省人化の取り組みが行われている。
省人化を図るうえでは、業務量削減に資する自動化の取り組みが一般的である。具体的には、トライアルホールディングス(福岡県)が進めているセルフスキャン・決済機能付きのスマートカート導入によるレジ業務効率化や、AIカメラを使った商品棚モニタリングによる商品発注自動化の取り組み、あるいはファーストリテイリング(山口県)によるRFIDタグとセルフレジを組み合わせた精算プロセスの完全セルフ化などが挙げられる。
一方、単純な自動化のみに目を向けるのではなく、各店舗のオペレーションを最適化する視点も忘れてはならない。たとえばカナダでレジレスのコンビニエンスストアを運営するアイズル24(Aisle24)という企業では、
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