セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)は、「食を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」をめざし、国内外のコンビニエンスストア(CVS)事業の成長にフォーカスする方針を発表。基盤となる国内CVS事業では、配送サービスの全国展開やコンセプト店舗「SIPストア」の出店など、これからの需要を開拓するための施策に乗り出している。
全セグメントで増益、CVS事業に経営資源集中
セブン&アイの2024年2月期(23年度)業績は、営業収益が対前期比2.9%減の11兆4717億円、営業利益が同5.5%増の5342億円、当期純利益が同20.1%減の2246億円であった。なお、そごう・西武(東京都)などの株式譲渡に伴う影響を除いた当期純利益は同2.6%増で、過去最高益の水準となっている。
23年2月期に高水準で推移した米国のガソリン小売価格が落ち着き、営業収益の約74%を占める海外CVS事業は減収となったことでトップラインは落ち込んだが、営業利益は過去最高益を更新している。海外CVS事業も、フレッシュフードや飲料、プライベートブランド商品の強化による商品粗利率の改善や、販管費の削減、為替の影響によって営業利益面ではプラスを確保。国内でも、国内CVS事業を中心に各セグメントで同じく増益となった。
同社は30年にめざす像として「食を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」を掲げる。この実現に向けた重要施策がグローバルでのCVS事業の成長だ。これまで米セブン-イレブン(7-Eleven,Inc.)を通じ、
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