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ローカルSM再生請負人が教える対生鮮ドラッグの勝ち筋とは

フード&ドラッグの台頭に最も影響を受けているのが中小規模のローカル食品スーパー(SM)だ。業態を超えた熾烈な価格競争に巻き込まれ、競争力を失っているローカルチェーンは少なくない。事業を継続し、成長につなげるためにどのような戦術を備えるべきか。西友(東京都)、ユニバース(青森県)を経て、現在はアークス(北海道)傘下で栃木県を地盤とするローカルSM、オータニの経営再建に努める川野泉社長に語ってもらった。

調達面での競合にも意識を向けよう

 私自身、経営再建中のオータニのトップとして、日々さまざまな課題に直面し、試行錯誤を続けている最中だ。本内容はこれまでの経験をもとに、あくまでも私見として述べていることを、まずご理解いただきたい。

 これまで身を置いてきた西友でもユニバースでも、そして現在のオータニでも、自店の周辺にフード&ドラッグが相次いで出店するというケースは何度も経験してきた。その経験から、「どれくらい影響があるのか」「どれくらい警戒すべきか」についてはある程度の“指標”を持つことができた。

 まず出店の影響についてだが、一言で言えば「コンビニエンスストア(CVS)にドミナントを築かれるよりは影響が大きい」ということだ。たとえば年商2億5000万円くらいの売上規模のCVSが周囲に5店舗できたとすると、単純計算で毎月最大12億~13億円の影響が出ることになる。一方、ドラッグストア(DgS)であれば年商5億円程度の店もあり、それが3店舗出店しただけでも15億円のインパクトがあるからだ。

オータニ 川野泉社長

 ここで忘れてはならないのは、SMにとってはCVSよりもDgSのほうが競合する商材・カテゴリーが多いという点だ。それがフード&ドラッグであればなおさらで調剤を除くほとんどで品揃えが重複する。しかも彼らは食品で価格競争を仕掛けてくる。経験上、食品の売上高構成比が5割前後に上るようなDgSチェーンの出店インパクトはとくに大きい。

 そしてもう1つ重要なポイントがある。

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