アマゾンジャパン(東京都/ジャスパー・チャン社長、以下アマゾン)は自社のネットスーパー「Amazonネットスーパー」内に、食品スーパー(SM)大手のアークス(北海道/横山清社長)が23年冬にも開設すると発表した。アマゾンはこれまでも有力SMと提携を行ってきたが、北海道エリアでサービスを提供するのはこれが初めてだ。
9000点の商品をオンラインで販売
「Amazonネットスーパー」は、Amazonプライム(月間プラン600円、年間プラン5900円、いずれも税込)の登録者を対象に、野菜・果物などの生鮮食品や飲料、日用品など、約1 万5000点の商品を最短2時間で届けるサービスだ。利用者は8時から24時まで、商品の到着時間を2時間単位で指定できる。
2017年4月に直営の「Amazonフレッシュ」としてサービスの提供を始めて以降、東京都、神奈川県、千葉県を配送対象エリアとしていたが、19年9月にライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長、以下ライフ)、21年6月にはバローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長)、22年3月には成城石井(神奈川県/原昭彦社長)と提携し、現在では関東・関西(ライフ)、東海(バロー)、関東・東海(成城石井)へと販売網を拡大している。
今回の提携が実現した背景には、アマゾンとアークス両社における、利害や戦略の方向性の一致がかかわっている。
アークスは北海道・東北エリアと北関東エリアに計377店舗(23年10月3日時点)を持つ。23年2月期の売上高は5662億円を誇る、北海道を代表するSM企業だ。今回の提携を通じて、アマゾンはアークスのブランドや顧客基盤を生かして、「Amazonネットスーパー」の提供エリアを拡大し、新たな顧客層を開拓することができる。
一方アークスは21年から自社のネットスーパー「アークスオンラインショップ」を運営し、札幌市を含む道内の9市12町を対象として、実店舗で取り扱っている野菜・果物・鮮魚などの配送を行っている。同サービスでは配送は自社で手がけており、注文から配送まで最短でも5時間を要する。今回の協業によって、アマゾン独自の配送網を生かし、最短2時間で商品がお客の手元に届けられるようになる。
提携後は
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