食品スーパー(SM)、ドラッグストア(DgS)、ホームセンター(HC)といった小売3業態を主力に、各種製造、卸売など幅広い事業会社を擁するバローホールディングス(以下、バローHD)。「製造小売業」を志向するユニークなビジネスモデルを展開、東海地方を拠点に店舗網を広げ、躍進を続ける。今後の展望、戦略などについて、2023年6月に取締役社長に就任した小池孝幸氏に尋ねた。
決断の“圧”が大きく異なる
──今年6月、バローHDの社長に就任しました。昨年8月の社長代行を経ての現職、心境は違いますか。
小池 経営戦略や人脈の広がりなどには変化はありません。しかし、実際に社長になった今思うのは、決断するときに感じる“圧”がまったく異なるということ。方針を打ち出す前、本当にこれでよいのかと自問自答し、さらに深く考えるようになりました。
──田代正美会長とはどんなコミュニケーションをとっていますか。
小池 戦略面を中心に、よい関係で議論させてもらっています。時には私の仮説を題材に、会長の考えを吸収しながら、より効果的な事業展開の手法について意見交換しています。
──さてバローHDは岐阜県を拠点に、SM、DgS、HCの3業態を主力として多様な事業を展開しています。現在の経営環境についての認識を教えてください。
小池 第一は、値上げ基調が厳しく、そこに電気や水光熱、労務管理といった各種の間接コスト高騰も重くのしかかっています。値上げの推移を追うと、今年春まではお客さまも「やむなし」といった反応だったのが、6月以降は価格転嫁や便乗値上げを非難する「強欲インフレ」という言葉が聞かれるようになりました。ガソリン価格高騰もあいまって、お客さまの余裕は確実になくなってきているとみています。それもあって、夏後半からはますます消費の冷え込みが起こるのではと危惧していましたが、当社では売上も堅調に推移しています。一方、外食産業も取引先さまからは上向きと聞いています。
つまり
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