関西圏・首都圏を商勢圏に食品スーパー約300店を展開するライフコーポレーション(大阪府:以下、ライフ)が、2026年度までの4カ年の「第7次中期経営計画」を発表した。これは30年度の中長期を見据えて実行策に落とし込んだ点に特徴を持つ。ライフは30年度に向けて何をめざし、何を実行していくのか。業界が注目するライフの具体的戦略を岩崎高治社長が語った。
人・商品・店への投資現場起点でMDを進化
──2019年2月期から23年2月期までの第6次中期経営計画の成果をいかに評価していますか。
岩崎 第6次中期経営計画では、「お店が主役」と位置づけ、「人」「商品」「店」への投資を着実に実行してきました。さまざまな課題はあるものの、概ね達成できたと評価しています。
「人への投資」では、同業他社に先行して初年度に処遇改善を実施し、3.86%のベースアップを行いました。賃上げの機運が社会的に高まった23年の春季労使交渉でも、実質3%超の賃金改善をしています。労使間では適切な緊張関係を保ちながら、「会社をよりよくしよう」という意識をきちんと共有できています。
また、本社をスリム化して大規模な配置転換を行い、店舗への権限移譲を進めました。「お店が主役」というライフの企業文化が一段と進化しています。
「商品への投資」では、「オーガニック・ローカル・ヘルシー・サステナビリティ」をコンセプトとするプライベートブランド(PB)シリーズ「ビオラル(BIO-RAL)」が順調に成長しています。また、付加価値を訴求する商品も増えてきました。テレビ番組でもたびたび取り上げられてそれら商品のおいしさやクオリティが広く話題になり、支持を集めています。
「店への投資」では、『ダイヤモンド・チェーンストア』の表彰企画「ストア・オブ・ザ・イヤー2023」を受賞した「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」(東京都渋谷区)をはじめ、「ライフムスブ田町店」(東京都港区)や「ライフ桜新町店」(東京都世田谷区)など、これまでに「ストア・オブ・ザ・イヤー」で上位にランクインした店舗がライフの稼ぎ頭になっています。
──第6次中期経営計画では「(従業員)みんなに同じ船に乗ってもらう」と表明されていました。開始当初と比べて、社内でのベクトルは合ってきましたか。
岩崎 第6次中期経営計画を社長からのトップダウンではなく、本部長から部長へ、部長から店長へ、店長から現場の従業員へと、それぞれが“自分の言葉”で伝える取り組みを行いました。結果、
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。