フードデリバリーサービス「menu」を展開するmenu(東京都/渡邉真社長)が、飲食店のメニューだけでなく、食品の即時配送を加速させている。そのねらいと、食品宅配やクイックコマースの競争が激化するなかmenuはいかに戦っていくのか、同社の戦略をレポートする。
配送可能距離を倍に 24時間配送にも対応
「menu」は、スマホアプリで注文した飲食店のメニューを、配送員が指定の場所まで即時に届けるデリバリーサービスを提供する。以前はテイクアウトの事前オーダーサービスを主としていたが2020年4月から、コロナ禍で外資系デリバリーサービスが勢いを増すなか、「日本発のフードデリバリーサービス」として運営を開始。デリバリー需要拡大の波にのってサービスエリアを拡大し、現在は33都道府県で、提携店を9万5000店舗以上まで増やしている(会員登録者数は非公表)。
21年6月にはKDDI( 東京都/髙橋誠社長)と資本業務提携を締結。KDDIの「au」の会員基盤を軸とした“au経済圏”の拡大、互いの会員基盤を生かしたマーケティングなどに取り組み、成長を加速させている。
「menu」の大きな特徴として、競合サービスと比較して配送可能距離が長いことが挙げられる。22年1月、東京都23区の一部エリアにおいて、配送可能距離を約3㎞から約6㎞へ拡大。利用者がより広域で幅広い選択肢の中から店を選べるようにしている。また、東京と大阪のとくに需要が大きいエリアの一部では、24時間営業の飲食店であれば24時間配送を受け付けている。
このようにサービスの利便性向上に注力する「menu」の利用動向は好調だ。コロナ禍で爆発的に増えた利用は大きく衰えることなく、高止まり状態が続いているという。
ネットスーパーのようにふだん使いする人も
そんな「menu」が現在、強化しているのが食品のデリバリーだ。まず22年2月、東京・麻布、田園調布、広尾で店舗展開する高級食品スーパー(SM)の「ナショナル麻布」のデリバリーを開始。現在SMでは、
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