大創産業は百貨店内という新たな立地にもチャレンジしている。その1つが、「名古屋」駅直結の百貨店「近鉄パッセ」(運営:近鉄百貨店)に2022年6月にオープンした「DAISO近鉄パッセ店」(以下、近鉄パッセ店)だ。同10月には「Standard Products(スタンダードプロダクツ)」も同じフロアに出店。集客力の高いこの2フォーマットが、館全体の活性化に寄与している。
名古屋駅直結の好立地に出店
近鉄パッセは名古屋駅の東側、「近鉄名古屋」駅に直結する百貨店である。正式名称は「近鉄百貨店名古屋店」だが、同店は「近鉄パッセ」という名称を公式に用いており、地元でも「近鉄パッセ」あるいは「パッセ」の名で親しまれている存在だ。
開業は1966年の老舗百貨店だが、98年の大規模リニューアルによって主にティーンエイジャー向けのファッションに特化したフロア構成に転換。当時一世を風靡した「ギャルブーム」の名古屋における発信拠点の1つとして賑わいを見せた。現在もアパレルショップのほか、発売イベントなども行われる大型書店やレコードショップも入居しており、若年層をメーン顧客とした施設となっている。
そんな近鉄パッセに大創産業が出店したのは22年6月のこと。まずは6階の178坪のスペースに「ダイソー」がオープンし、その後10月には同フロアに「Standard Products」(74坪)も開業している。
百貨店業界の経営環境が、コロナ禍で厳しさを増しているのは周知のとおり。国内客が主体の近鉄パッセは、インバウンド需要消失の影響はさほど受けなかったとみられるものの、郊外のショッピングモールやECとの競争激化にさらされている点はほかの百貨店と同様である。
そうしたなかで、圧倒的な集客力を誇る「ダイソー」、
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