近年の新業態開発・出店加速とともに、これまで大創産業が強みとしてきた郊外立地の「ダイソー」も、大きな進化を遂げている。各カテゴリーを深掘りした他の追随を許さない品揃え、新規ジャンルの開拓をはじめ、売場の光景は「100円ショップ」の固定観念を一変させるものになっている。そんな郊外立地の繁盛店の1つである、埼玉県三郷市の「DAISO三郷鷹野店」(以下、三郷鷹野店)の売場をレポートする。
大型店ならではの品揃え、キッチン用品を強化
三郷鷹野店は2004年2月に開業した、フリースタンディングの大型店だ。JR常磐線「松戸」駅から北西に約3㎞、つくばエクスプレス線「八潮」駅から約3㎞離れた、都県境近くのエリアに位置する。店舗周辺は住宅地が広がり、都心へのアクセスもよいことから若いファミリー層が多い。
売場面積は約662坪で、ダイソーとしては大型店に位置づけられる。建物は2層構造で、1階には食品、コスメ用品、玩具、文具、イベント(季節)商品、衣料・雑貨などを配置。2階は食器・キッチン用品、洗濯・掃除グッズ、収納用品、リビング・インテリア雑貨、アウトドア用品、工具、園芸用品のほか、300円ショップの「THREEPPY(スリーピー)」が30坪のスペースで出店している。
まずは2階部分から売場を見ていこう。1階から階段を上がった先に広がるのは、「ナチュラルスタイル」と銘打ったゾーンだ。中央部に木製の什器を置き、暖色のスポットライトを当てた落ち着いた雰囲気の売場の中で、木皿や自然素材の蓋を用いたガラス製の保存容器などを展開。コーナー名のとおり“ナチュラル感”のあるキッチン用品を集積している。壁面沿いにも木製のゴンドラを設置し、シンプルかつスタイリッシュなデザインのトングやキッチンばさみ、ボウル、ざるなどを並べている。導入部から「ナチュラル」というテーマを、需要の高いキッチン用品を集めて打ち出すことで、「ふつうの100円ショップとは一線を画した雰囲気」をお客に伝えているのだ。
それに続くのが
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