[東京 25日 ロイター] – 財務省は25日、日本郵政株の3次売却で、引受証券会社への手数料などを除いた売却収入が8367億円になると発表した。売却を決めた6日時点の株価換算で9500億円程度の売り出しが想定されたが、株価下落で想定を下回った。2015年11月の株式上場以降の累計売却収入は3兆8961億円となる。
同省が発表した郵政株の売り出し価格は、25日終値から2%引きの1株820円60銭となった。2015年11月の株式上場時(1400円)、17年9月の2次売却時(1322円)を大幅に下回る水準で、政府保有義務分(3分の1超)を残し全株を売却しても当初想定した金額には届かない。
政府は1次売却で1兆4109億円、2次売却で1兆3984億円、今年6月の郵政の自社株取得で2499億円の売却収入を得ており、財務省幹部は「(今回の3次売却で)累計約3.9兆円の復興財源を確保できる。おおむね4兆円程度の範囲に入ってくる」と記者団に説明した。
郵政は、1000億円を上限とする自社株取得を行い、消却する方針を3次売却に併せて決議しており、実際に郵政が消却を実施した場合は「政府保有義務分が減少し、政府からさらに売却可能な株式が生じる可能性もある」とも述べた。今後の具体的な対応方針については明言を避けた。
売却株数は発行済み総数の27.26%に相当する10億2747万7400株で、3次売り出しでは販売比率を見直し、25%に相当する2億5686万9300株を海外向けに割り当てた。
郵政株の受け渡しは今月29日で、政府は、売却収入のすべてを東日本大震災の復興財源に充てる。日本郵政による自社株買いは11月1日から可能となる。