化粧品や日用品、一般用医薬品などの卸売事業を手掛けるPALTAC(大阪府)。コロナ禍で消費者ニーズが大きく変化する中、新たな商材の開拓、提案を強化。今年度からは3年を期間とする中期経営計画がスタート、さらなる収益力の向上をめざしている。糟谷誠一社長は「卸売業の枠にとどまらず、中間流通のプラットフォームをつくり上げたい」と意気込みを見せる。
高付加価値品を充実
──コロナ禍の影響を大きく受けた1年半でした。業績はいかがですか。
糟谷 2021年3月期の売上高は、1兆332億7500万円(対前期比1.3%減)、営業利益254億8700万円(同3.2%増)と減収増益でした。
巣ごもり需要をはじめ著しく伸びたカテゴリーがあった半面、鈍化したのは化粧品や制汗剤用品といった外出時に使用する商品群。さらに大きな打撃となったのは、売上高構成比で3.5%を占めるインバウンド需要がほぼなくなったことです。全体としてはマイナスインパクトのほうが大きく、厳しい結果となりました。
──減収の一方で増益を確保できたのは、どのような取り組みによりますか。
糟谷 購買動向を見て、売る商材を変えていきました。マスクの需要が高まる中、カラフルでファッショナブルな高付加価値アイテムを充実すると同時に、在宅需要により動きのよかった入浴剤のほか、消毒液、ハンドソープといった衛生用品の販売を強化。これによりわずかながら利益率が改善しました。一方、利益確保に貢献したのは、販管費の低減です。リモート商談をはじめ営業スタイルを変更したほか、就業規則を変更して働き方改革を実施。物流面では継続した生産性向上の取り組みなどもコスト削減に寄与しました。
足元の業績は依然としてコロナ禍で厳しいことに変わりはありませんが、引き続き新商材の開拓、提案を強化したことで、22年3月期第1四半期は増収増益でした。
──さて今期(2022年3月期)から、3カ年の中期経営計画「PALTAC VISION2024」がスタートしています。
糟谷 「輝く 未来へ」を掲げ、①リテールソリューション力の強化、②ロジスティクスソリューション力の強化、③システム機能の強化・デジタル化の推進、④人財・組織の強化の4つのテーマを柱とし、最終年度の24年3月期には売上高1兆1250億円、営業利益
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