コンビニエンスストア(CVS)大手のファミリーマート(東京都/細見研介社長)は、店内に設置した専用のボックスを介して、処方薬や市販薬を受け渡すサービス「ファミマシー」の実験を開始した。これまで大手調剤チェーンとの共同出店を行うなどの取り組みを行ってきた同社。全国に広がる店舗網を活用し、「薬を受け取れる場所」としての機能に集中しようという試みが始まった。
24時間好きなときに処方薬が受け取れる「ファミマシー」を開始
ファミリーマートが今回新たにスタートしたサービス「ファミマシー」は、オンライン薬局の運営や一般用医薬品の開発を手掛けるミナカラ(東京都/喜納信也社長)との共同実証実験の位置づけで行われているものだ。今年8月6日から、都心部を中心とする都内のファミリーマート8店舗においてサービスを提供している。まず、ファミマシーの利用方法は次のとおりだ。
ユーザーはLINE上で服薬指導の予約を取ったうえで医療機関を受診、医師はミナカラに処方せんを送付する。その後担当薬剤師が電話でユーザーに服薬指導や薬の説明を行い、ユーザーはミナカラのオンライン薬局で処方薬の購入と、希望する受け取り店舗を選択する。あとは店舗に向かい、店内に設置された専用の受け取りボックスで薬を受け取る。最短で受診した当日中に処方薬を受け取ることが可能だ。
従来、処方薬を手に入れるには調剤薬局に出向く必要があった。しかしファミマシーを利用すれば原則24時間営業のCVSで受け取れるため、仕事や家事などの合間のわずかな空き時間で、処方された薬を待ち時間なしでスピーディに受け取ることができる。
そしてファミリーマートにとっても、基本的には専用ボックスを設置するだけでファミマシーのサービスに対応することができる。つまり、店舗オペレーションに負荷がかかることがほとんどなく(ボックスの拭き掃除や使い方を聞かれた際の簡単な対応のみ)、これは大きなメリットだ。
ファミマシーの開発
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