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合理的、ベンチャーのよう… 取引先だけが知っているベルクの強さと社風

ベルク大02

業界各社が注目するベルク(埼玉県/原島一誠社長)はどのような企業なのか。本特集ではさまざまな角度からその実態をとらえるべく、大手食品メーカー2社のベルク担当者計3人による座談会を実施。取引先から見たベルクの姿について語ってもらった。

40代のリーダー多数、棚割りは主に自社管理

──取引をしているなかで感じている、ベルクの組織文化があれば教えてください。

A氏 組織における役職の階層がシンプルで、そのため意思決定者が明確であり、当社からの提案に対しても返答が迅速だと感じています。風通しもよい印象です。原島社長をはじめ、そのほかの上層部にも40代の若いリーダーが多く、上層部同士のやりとりも「LINE」などのコミュニケーションツールを活用し、スピード感を持って意思決定をされていますね。

B氏 徹底的に効率を追求する点もベルクの特徴です。たとえば、新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大以前から、業界でも早期にオンライン商談の導入を検討し始めたのはベルクだと思います。コロナ禍によって多くの食品スーパー(SM)がオンライン商談を導入しましたが、従来の慣習のままに対面での商談を続けている企業も少なくありません。そうしたなかベルクは現在、「対面」「オンライン」の双方の形式を選択肢として提示し、対面形式は必要なときだけとする体制を構築しています。

C氏 商談の際には「売上」「利益」に加えて「販売管理費」に対する意識の高さを感じますね。たとえば、販管費を抑えるべく棚割りも全店で標準化し、商品を1つ差し替えるにしてもそれにかかる従業員の作業コストまで計算します。そのため品揃えの変更が他企業に比べて容易にはできません。同じ埼玉県に本拠を置き、よく比較対象とされるSM「ヤオコー」では、新商品を積極的に導入し、発売直後から売場で提案することを重視しています。それに比べるとベルクの品揃えはトレンドの反映という点では「遅れている」といわれることもあります。その半面、他チェーンの販売動向から売れる商品をきちんと見極めて導入し、それを低価格で着実に販売しているともいえるでしょう。

──ベルクの強さはどのようなところだと考えますか。

A氏 低価格実現のために無駄を省いて生産性を高める、強固な仕組みが確立されている点だと思います。これはベルクを一大チェーンに成長させた創業家の故・原島功氏が若くして病気を患った経験から「残りの人生では無駄なことは一切しない」とシンプルマネジメントに舵を切ったことが発端となっていると聞きます。

 もう1つ、棚割りを取引先メーカーや卸に任せているSM企業が少なくないなか、ベルクは主に自社で管理しており、自立した事業運営力を持っている企業でもあります。だからこそ、取引先メーカーからさまざまな商品提案があるなかでも自社の作業効率性を追求でき、また値入れにはかなり柔軟性を持たせて、高度なレベルの粗利ミックスを可能にしています。

B氏 標準化が徹底されているからこそ、1つの施策を一挙に全店で行う実行力があります。そのため

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